こんにちは、小春です♪
以前、皮膚の構造や、皮膚に存在するセラミドについてご紹介しました!
今日は、肌のコンディションを左右する「表皮」についてもう少し深掘りしたいと思います!
表皮の仕組み
表皮は、皮膚の一番上にある組織です♪ 表皮の一番奥から順に、基底層、有棘層、顆粒層、角層(角質層)の4層からなっています!
そして、表皮の上には皮脂があり、皮膚が乾燥しないように覆っています。皮脂の成分は、トリグリセリド、ワックス、脂肪酸などで構成されています。
表皮にある細胞は、そのほとんどが角化細胞(ケラチノサイト)で構成されています。
ターンオーバー(角化)
表皮では、ターンオーバーによって常に新しい角化細胞が生まれています♪
ターンオーバーにより、基底層から細胞分裂によって生まれた角化細胞が、どんどん上に押し上げられ、基底細胞→有棘細胞→顆粒細胞→角層細胞と変化します。
(詳しくは皮膚の構造のページをご覧ください)
顆粒細胞は、ゆっくりと角層細胞に分化します。分化とは、新たに別の機能を持つ細胞に変化することを言います。
角層(角質層)には、およそ20層ほどの角層細胞が積み重なっています!
角層細胞は、1日1層くらいのペースで積み上がり、表皮の一番上の古い角層細胞は垢となって剥がれ落ち、その下の角層細胞が表面に出てくるということを繰り返しています。
角層の仕組み
角層は、体内の水分が蒸発しないように保つ働きや、外部からの刺激や異物の侵入から体を守るバリア機能の働きがあります。
もし、仮に角層が失われてしまったら、私達人間は体内の水分が失われることにより、24時間も生存することはできません!
角層は、10~20%の水分を保持しているのが健康な状態です。これが低下すると肌荒れを起こします。
ケラチンは、角化細胞の細胞骨格を構成するたんぱく質の一種です♪
角層には、肌の3大保湿要素の内の2つである「角質細胞間脂質」と「天然保湿因子」があります。(残りの一つは皮脂です。)
天然保湿因子(NMF)と角質細胞間脂質の違い
天然保湿因子(NMF)は、角層細胞の中に存在します。角質細胞間脂質は文字通り、角層細胞と角層細胞との間を埋めるようにして存在している脂質です。
天然保湿因子(NMF)は、こうやって生まれる
天然保湿因子(NMF)は、水溶性のアミノ酸が主成分です。その他に有機酸(クエン酸や乳酸)やミネラルなどが含まれています。
アミノ酸は、お肌の潤い成分で、有機酸は、角質を柔軟にする働きをしています!
NMFとは、「Natural Moisturizing Factor」の略です♪
顆粒細胞の中の、ケラトヒアリン顆粒には、プロフィラグリンという不溶性たんぱく質が存在します。
プロフィラグリンは、ターンオーバーにともない、角層細胞に分化する過程で、フィラグリンというたんぱく質に変化します。
フィラグリンは、さらにたんぱく質分解酵素により、天然保湿因子(NMF)に変化します。この水溶性のアミノ酸類は、ターンオーバーが正常に行われなければ生成されません。
角質細胞間脂質
角質細胞間脂質は、セラミドやコレステロールなどから構成されています♪
角質細胞間脂質を構成する成分は、角化細胞(主に顆粒細胞)の中で作られ、顆粒細胞の中にあるラメラ顆粒(層板顆粒)の中に蓄えられます!
ラメラ顆粒(層板顆粒)の中に蓄えらた脂質は、顆粒細胞が角層細胞に分化する時に、角層内にシート状に広がり、細胞間脂質を形成します♪
角質細胞間脂質は、表皮の水分の蒸発や、天然保湿因子(NMF)の成分であるアミノ酸等の流出を防いでいます。
角質細胞間脂質は、ラメラ構造という特殊な構造を作ります。細胞間脂質の分子は、両親媒性(水にも油にも溶ける)で、頭と尻尾がそれぞれ、水、または油と馴染みやすい性質を持っています。
水の層と油の層を交互に積み重ね、ミルフィーユのような構造(ラメラ構造)を作り、表皮のバリア機能を強化しています!
ラメラ構造は、「コーニファイドエンベロープ(CE)」という角層細胞を包む膜の成熟がないと形成されません。
このように正常な角化が行われるには、様々な条件が揃わなければいけないんですね。